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380 守るべきは、従業員とその家族

2009-03-03 (火)

ここ最近、大手上場企業の人員削減発表の記事が、後を絶ちませんね。

企業側の論理として、利益を出すため固定費を削減せざるを得ないという 考え方は理解できなくもないですが、削減方法として人件費削減のための リストラもやむなし!という風潮もどうかと思います。

そもそも、このような結果に至った経緯としては、日本の企業に対する 評価基準が関係していると思います。

日本という国は、不思議なもので、売上高の大きさ、資本金の大きさ、 そして従業員の雇用人数で、その会社が素晴らしいかどうかを決めたがる 風潮にあります。

実際に、この3点が大きい企業に入ることがステータスのように感じている人も 多いのではないでしょうか。

果たして、それが正しい選択でしょうか?

もちろん、これらの条件に当てはまる企業を選ぶこと自体が、問題 というわけではありません。

これから就職しようとしている方は、企業の経営者がどのような考えを持って 事業に取り組んでいるのか、そしてどのような想いであなた自身を雇おうと しているのかを事前に知っておく必要があると思うのです。

特に、このような急激な経済不況が発生している状況に陥った時でも、 従業員の雇用や給料を守ってもらえるのかどうか、そのような姿勢の 経営者なのかどうかぐらいは、見極めてから入社を決めても遅くありません。

逆に、経営者に問いたいのは、従業員の雇用について、もっと真剣に 向き合うべきではないかということです。

当然、従業員側も、やるべき仕事や役割を果たすことは義務だと思いますが、 いかなることがあっても、まずは雇用を守ることを最優先に考えて、 人材採用・育成を行うべきだと思います。

中には、従業員のリストラや解雇などに踏み切る中小企業の経営者も 見受けます。当然、経営者にとっても苦渋の決断かもしれませんが、 その従業員だけでなく、従業員の家族も路頭に迷わせてしまうことに なってしまうということを十分に考えた上で、その経営判断が正しいのか どうか、もう一度、実行に移す前に考えるべきです。

人件費以外の経費を切り詰めたとして、それ以外の経費の削減対象が見あたらず、 やむを得ず人件費の削減に至るとすれば、まずは、役員報酬をカットする。 そして、それでも利益が出せない状況であれば、従業員の雇用を全員確保する前提で、 ワークシェアリングに踏み切る。

そのような覚悟を持って、経営に臨んで頂ける経営者が世の中に増えると、 従業員も安心して仕事に打ち込めますし、会社に対するロイヤリティも高まる と思います。

これからは、企業規模ではなく、経営者の経営姿勢で企業を選ぶ時代です。

経営者自身も、従業員とその家族をしっかり守れる経営を行うためにも、 自社の財務体質を強化していきましょう。

●事業計画ドットコム
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プロフィール

財務マネジメント株式会社 代表

森岡寛

財務マネジメント 代表取締役 森岡 寛

高知県高知市出身。実家が製麺卸売業を営んでいることから、幼少期より経営に関心を抱く。
近畿大学在学中は会計学研究会に所属し、管理会計の研究に従事。大学卒業後、大阪市内の大手会計事務所に勤務。入社3年目から経営幹部に抜擢され、以後2年半にわたり、部署売上目標を全て達成。実務面では、税務・経営・人事コンサルティングを担当する中で、中小企業の財務の重要性を実感して退社・起業。
起業後は中小企業に特化して、チャットとWEB会議で完結する財務改善コンサルティングを提供している。
著書に『マンガで入門!会社の数字が面白いほどわかる本』、『社長のための黒字の教科書』『マンガで入門!管理会計が面白いほどわかる本』(ダイヤモンド社)がある。

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