445 予算を達成する為の7つのポイント
2011-12-08 (木)
しかも、周りには、達成すらままならない部署もありました。
そのような環境で、「どうしてそんなに連続達成できたのか?」「簡単な予算数字だったのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は、私より社歴の浅いスタッフ3名とパートスタッフ1名、そして私を含めた計5名で、予算数値も当時の会計事務所業界では驚くほど高いものでした。
では、どのようにしてその予算を継続して達成してこれたのか?
私自身が実践し、実感してきたのが「予算」というものに対する7つのポイントをお伝えいしたいと思います。
1)目標を予算よりも高く設定する
一般的には目標=予算と捉えられるケースが多いですが、お勧めする方法としては、
目標と予算を違う数字で管理する方法が良いと思います。(目標数字>予算数字)
※この場合の予算数字は、財務的な観点から最低限達成すべきノルマと理解して下さい。
この方法を採用する理由は大きく3つあります。
一つ目は、目標を掲げ、その行動計画を作成したとしても、全ての行動計画が100%以上
達成することは、考えづらいということです。
この場合、目標=予算となってしまうと、予算が未達になる可能性が十分に考えられます。
二つ目は、目標=予算となってしまうと、その範囲でしか行動計画が作成されない、という点です。
仮に100万円の予算を達成するよう、行動計画を作ると100万円の範囲でしかビジネスプラン・アイデアが生まれてきません。
一方で、150万円の目標を達成するように考えるとなると、「既存の延長上で物事を考えてはいけない」
「全く新しいサービスは何か?」といったことを考えるようになり、ふとしたことで、凄いビジネスチャンスを
思いついたりする機会が増えるからです。
三つ目は、人は数字を達成するとその時点で満足してしまう。ということです。
仮に目標=予算で、与えられた数字を達成してしまうと、着地点に到達した時点で
「今月も達成したのでOK」となってしまい、更なる高みを目指さないという事態を生みかねません。
これが、目標>予算の場合、予算は達成したけど、最終目標はまだ上にある!となるので、
更なる高みを目指し、自己研鑚しやすい環境づくりにも役立つからです。
このような3点が大きな理由ですが、
「目標が未達でも、予算を達成していれば良し」
「目標が達成されれば、なお良し」という環境も同時に作ることができます。
2)単発の売上ではなく、継続購入できるサービスを販売する
コンサルティングや士業のビジネスなどでは、毎月一定額の報酬を頂くビジネスが主流となっています。
これらのビジネスは、一発逆転は発生しづらいものの、実際には「ベース」と呼ばれる売上を
形成できるため、予算を達成するにはこのベースをどれだけの割合で確保できるかがポイントになります。
このため、他の単発サービスの提供も行いますが、最終的にはこのベースにたどり着くように、
新規顧客へのアプローチを行うことが重要になります。
3)値引や解約のリスクも考慮する
当然、相手があった上での商売ですので、お客様の経済状況や、自社が提供するサービスに対する
不平・不満を感じた上で、値引きや解約という事態が発生することを想定しておかないといけません。
目標や予算を設定する上でも、これらのリスクを数字に反映しておく必要があります。
実際の数値としては、前年度までの実績値を参考にして頂いても構いませんが、
最低でも5%~10%程度は見積もっておくことをお勧めします。
4)新規契約の質にこだわる
どのビジネスをする上でも新規契約を獲得していくことは重要です。ただ、「どのような顧客でもよい」
となってしまうと、新規契約欲しさに自分の意図しない顧客と無理な条件で契約してしまい、
結果として値引きや未回収といった事態に陥るリスクを増やしてしまいます。
自社のビジネスを理解し、自社のサービスに対して快く代金を支払って頂ける顧客ターゲットを
明確にして、そのターゲットにふさわしい顧客に自社サービスを利用してもらえるよう、
新規契約の内容にもこだわる必要があるかと思います。
5)目先の数字を追いかけない
先ほどの、4)に記載した新規契約の質とも関係しますが、予算の達成だけが目的になってしまうと、
目先の数字が欲しくなります。
「今月の売上さえ達成すれば…」といって来月予定の売上案件を前倒ししてしまったり、
無理に売上を計上しようとしてしまうと、来月には更に売上不足・案件不足という結果が待っており、
根本的な解決には至りません。
また、無理な売上は顧客からのクレームにもなりかねません。
その結果、値引きや未回収という負のスパイラルへの連鎖も懸念されます。
逆に今月の予算数値の達成見込みがある程度把握できている場合は、今後の予算を確実に
達成できるよう、未来への種まきに注力することも重要です。
6)数字を分解して管理する
目標にしろ、予算にしろ、総額を聞いてしまうと、「達成するのは難しいな~」と感じてしまうかも
しれませんが、一方では、これらの数字を達成する為には、数字そのもののを分解することも必要です。
飲食店や美容室、小売業等の場合は、客数×客単価に分類したり、メーカーや卸売業等の場合は、
商品アイテムや営業所単位、営業スタッフ単位で数字を振り分けることで、一人当たりや一日当たりで
取り組むべき数字が明確になるわけです。
そして、大切なのは、この分解した数字と、実際の行動計画の連動性です。
分解した数字を達成する為に、どのような行動計画を立ててそれを実践するのか?
そこまで明確にした段階で、初めて「数字を分解して管理している」と言えます。
7)作業を部下に、クロージングは必ず同行する
目標や予算を達成するには、自分ひとりだけでは無く、部下やスタッフの協力も必要不可欠です。
基本的に幹部や上司となる人物の多くは、セールス力やクロージング力が高い人がなるケースが
多いです。いわば得意分野。
一方で、部下やスタッフは商談の経験が少ないため、どのような展開でセールスをすればいいのか、
そのコツがわかりません。
また、部下に単独で任していた案件で「成約の見込みがない」と言っていた案件も実際に上司が
同行してみると「簡単に成約できた」というケースも多々ありますし、逆に、部下から「見込みがある」と
聞いていて実際に上司が同行すると「全く見込みがない」というケースもあります。
このような認識誤差やロスをなくすため、またセールストークやクロージング力をOJTで磨く意味でも、
上司の同行機会を極力増やすことは大切です。
その分、上司が抱えている作業については部下の特性やキャパに応じて割り振って、上司は極力
「数字を生み出す仕事」に重点を置いた方がよいと思います。
以上が、予算を達成するための7つのポイントです。
皆さんの会社ではどのように予算を作成し、その達成度合いを管理しておられますか?
今一度、自社の「目標」や「予算」に対する考え方、また進捗管理の方法を見直してみてはいかがでしょうか。