資金繰りの不安がなくなる最高の方法
2021-03-08 (月)
税理士の近藤学さんから新刊「資金繰りの不安がなくなる最高の方法」を献本頂きました。
ありがとうございます。
今回のテーマは、ズバリ「資金繰り」です。
実際に、資金繰り表を作るとなると、その必要性はわかるものの、いざ作るとなるとうまくいかないケースが多々あります。
そのような中小企業経営者、経理担当者、会計事務所職員の方々向けに日別の資金繰り表から中長期の資金繰り計画に至るまで、順序だてて解説してくれているので、それに沿って自社の資金繰り表が作れる構成になっています。
近藤さんの前著「PROFIT FIRST お金を増やす技術――借金が減り、キャッシュリッチな会社に変わる」でも触れられていますが、基本的なコンセプトとして「必要な税金は払う。ただし、無駄な税金は払わなくてもよい」というスタンスで執筆しておられる点に、私自身とても共感しています。
また、資金繰りを実践するにあたって、まずは自社の預金口座の数と目的を見直すことを提唱しておられます。
1.売上を入金する口座
2.支払を行う口座
3.納税用の口座
4.お楽しみ口座(利益を残す口座)…ネーミングが面白いですね。
要するに1で入金した預金を2、3に振り分け、残ったお金を4に移すという資金の流れですね。(それ以上は、お金を無駄遣いしちゃダメ!というメッセージでもあります)
ちなみに、従業員に給与情報を開示していない会社の場合、2の支払を行う口座を①通常経費用、②給与用、と2つに区分してもよいと思います。
それと、3の「納税用の口座」を作って毎月定期的に資金移動を行うことが書かれているんですが、その中でも資金繰り表から、この納税預金の口座自体を、資金繰り表の現預金残高から外すという発想がとても面白かったです。(定期積金を使って、年間の納税をコントロールする方法がありますが、普通預金を使って痛税感をなくすには、こういう方法もあるんだなという感じですね)
私自身は、メイン口座とは別に、納税用口座に関しては、①納税用資金、②年払経費用、③借入返済用、といった項目を別口座でまとめる方法でもよいかなと思いっています。
これによって、毎月の手元の資金繰りからイレギュラーな動きを外すことができるんですが、これに加えて先ほどのように、そもそも資金繰り預金としてカウントしないというのが、ユニークな発想ですね。
また、借入金についても、昨今のコロナ融資のように、緊急性を要しないけど、心配だから念のため借入を行った会社も多いと思いますが、このようなケースでも借入は、通常のメイン口座から切り離して
借入用の口座として別管理することをお勧めしています。
これらの主旨に賛同できる方、そしてこれから自社の資金繰りと向き合っていきたいとお考えの方にとっては、一読の価値ありです。
資金繰りフォーマットも提供されていますので、本書を読みながら、自社の資金繰表を作成してみましょう。