雨の日に傘を貸さないのが金融機関
2021-06-08 (火)
赤字や金融機関の追加融資を断られて相談に来られる経営者の多くが
「これまで〇〇銀行とは長い付き合いだったのに急に冷たくなった」
「これまでたくさん預金してきてやったのに、赤字になったとたん追加融資を断られた」
「担当者は、ぜひやらせてくれと言ったのに、銀行に戻ったら急に上司から電話がかかってきて融資NGになった」
「試算表を出せ、決算書を出せ、計画書を出せと言ってきて、必要書類を出したのに、計画書の実現性を感じないと言って断られた」
などなど、金融機関に対して愚痴をこぼされます。
確かに、こういうところは、金融機関あるあるでよくある話だと思います。
ですが、逆の立場になって考えてみてください。
お金を貸す側とすれば、「お金を返せる力があるかどうか」を判断して融資を行うわけです。
となると、お金を借りる側とすれば、どのような関係を築いておくべきなのか。
それには、大きく三点の取り組みが必要です。
まず一点目は、黒字決算を継続することです。
コロナ禍で、急に業績が悪化するケースが多いのは事実ですが、それでも可能な限り赤字を提言する努力は必要です。「コロナ禍だから仕方ない」ではなく、「コロナ禍でも、やれることはやる」この取り組みや努力は必要です。
二点目は、業績の良いタイミングで融資実績と返済実績を作っておくことです。
「雨の日に傘を貸さない」のは、本当にお金が足りなくなってから借入に走るから、おのずとそのような結果が
待ち受けています。そうではなく、「晴れている時点で念のため傘を借りておく」ことが重要になってくるのです。そして、その借入をしっかりと返済実績を作っておくことで、その中小企業に対する信用・評価が上がるのも事実です。晴れの時点でこの取り組みをしている中小企業は、今回のコロナ禍でも円滑に資金調達が行えています。
三点目は、複数の金融機関と取引することです。
多くの中小企業では、規模にもよりますが、メインバンクと預金も借入金もシェア100%というケースがあります。
これだと、メインバンク一択での取引になるので、仮にメインバンクに断られてしまうと元も子もありません。そうならないために、民間の金融機関(規模にもよりますが、地銀や信金)と政府系金融機関(国金等)と取引実績を作っておくことが重要です。
皆さんの会社でも、金融機関との取引が一択になっていないか、または民間の金融機関との関係だけにとどまっていないか、また取引量はどれぐらいになっているのか、特定の金融機関にシェアが偏っていないか、定期的に確認してみましょう。