432 資金を眠らせるな!
2011-03-09 (水)
昨日の日経新聞の一面で、ご覧になった方も多いかと思いますが、
「資金を眠らせない(企業 強さの条件) 第9部 もっと投資を(3)事業を選別 攻め素早く」
という記事が掲載されていました。
これは、伊藤忠商事の財務戦略に関する記述でしたが、私自身は、この記事内容で以下の3点が
共感できたので、ご紹介したいと思います。
1)会社の事業をセグメントに分類し、財務体質や収益性を含めて、事業自体を「社内格付け」する
自社内の独自ルールではありますが、評価項目を設定して点数化し、最終的には、
「A」や「BBB」といった評価格付けを行う
2)評価の低い事業に関する投資(株式投資等)については、それらの資産を売却し、売却資金を
収益性の高い事業に投資しなおす
投資した資金が眠っていないかどうか、金額の大小にかかわらずチェックして、「低採算」→「高採算」
へと資金をシフトさせる
3)社内格付けが高い事業については、権限を委譲するが、格付けが低い事業については本社が細部まで管理
事業自体が順調に推移している部門については、権限と資金を現場に委譲して取り組ませる一方で、
成果が上がっていない低採算の事業については、本社が厳密にチェックして、不採算の原因を追求する。
中小企業でも、複数の事業を展開したり、複数の営業所・支店・部門別に収益性の管理をしているところは
数多く見かけますが、一方で投資に対する効果を測定したり、セグメントごとに財務体質を評価するまで
至っていないのが実情だと思います。
ですが、財務面で重要なのは、
1)「不要な資産、低採算の資産を整理する」
2)「1)と共に収益性を高め、手許資金を潤沢にすること」
3)「貯まった資金を投資効果の高い事業に集中投資すること」
4)「投資効果を測定し、資金が眠らない環境を作ること」
5)上記1)~4)を繰り返し実行する
といったサイクルになります。
皆さんの会社では、資金を眠らせることなく、集中的に投資できる環境が整備されていますか?
キャッシュを貯めるのはもちろんですが、キャッシュの投資と回収についても
考えたうえで、日々の経営に取り組むことも、自社の財務体質を強化するうえで、非常に重要ですね。