409 時代とともに経理は変わる
2009-08-05 (水)
私が、会計事務所に入ったのが今から10年前。その当時は、中小企業では 会計ソフトの導入がまだまだ浸透しておらず、実際に導入するとしても、 その当時の会計ソフトの代金は、10万円~20万円前後だったと記憶しています。
お客様自身も、全て伝票を手書きで記入していた時代です。入金伝票、出金伝票、 振替伝票、現金出納帳、預金出納帳、受取手形帳、支払手形帳、総勘定元帳、補助元帳、試算表…。 今、それを手書きでやれと言われると、少々ゾッとしますが(苦笑)、当時は、 そんな時代だったんです。
その一方で、会計事務所側は、事務所内に数百万円もするオフコンを設置して、 お客様から伝票を預ってきては、事務所内で入力を行っていました。 要するに、顧問料の一部が「記帳代行」としての報酬だった時代ですね。
また、当時は「自計化」という言葉が会計事務所の業界では流行ってまして、 会計ソフトを入力してもらえるお客様を増やして、そのお客様に入力業務を してもらう為の指導に、会計事務所側も多くの時間を割いていたと記憶しています。
あれから10年。今では数万円で高性能の会計ソフトが販売されています。 帳票類を手書きする必要も全くなし。 入力だけすれば、全てが会計ソフトで実現できる時代です。
ですので、会計事務所の顧問料も、「記帳代行」で取っていた報酬が軽減し、 「税務相談」「節税提案」「経営相談」といった点にシフトしていますね。
逆に時代の流れについていけていない会計事務所は苦戦を強いられています。
当然、このように会計事務所の役割が変わってきている背景には、会計ソフトの 進展、いわゆる「経理のIT化」が進んでいるからです。
最近では、中国に単純な経理業務をアウトソーシングしている企業も見受けられます。
大手企業の中には、これまで従業員の経費精算に2週間程度要していたものが、 経費精算システムを組んだことで、申請後、わずか2日で処理できるようになったり しているようです。
では、これからの時代、中小企業の経理はどうなるのか?
私は、究極の経理システムとして、「入力しないで試算表ができる」時代がいずれやってくる と思っています。
「そんなばかな(笑)」と嘲笑する方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ最近は 早業BANKやマネールックといった、インターネットバンキングのデータを利用して 自動的に仕訳を生成してくれるソフトも登場しています。
今、M’s FACTORYでも、「入力しないで試算表ができる」という究極の目的の 実現に向けて、情報収集や研究開発を行っています。
経理や税務の専門知識が無くても、試算表が自動的にできる時代が10年後にやってくると イメージして、自社の商品開発や研究を続けようと思います。
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