440 「本当の会計の話」を読みました!
2011-06-20 (月)
日本一売れている会計ソフト「弥生会計」の岡本社長が今年の3月に書籍を出版されました。
その名も「本当の会計の話」です。
まずは、岡本社長からの献本に感謝!
CHAPTER1 会計ってなんだ?
CHAPTER2 本当の会計
CHAPTER3 で、何をすればよいの?
CHAPTER4 誰か助けて!
CHAPTER5 1年を終えて
上記の5章構成になっているんですが、最初のCHAPTER1、2は会計の基礎的なことから、
キャッシュフローといった経営に関するお話を記載しておられます。
なので、まったく会計がわからないという方でも安心して読める内容になっていますね。
次にCHATER3では、実際の経理処理としてどのような方法があるのかをレクチャーしてくれています。
領収書の管理方法や、会計ソフトをどのように使いこなせばいいのか?入力の効率的な方法
について、結構深くまで突っ込んで書いておられる印象でした。
とりわけ、毎月1回、まとめて経理処理をする日として「会計の日」を設けるという考え方は、
共感できましたね。
そして、メインとなるCHAPTER4。ここでは税理士事務所とどのようにお付き合いすればいいか、
その方法について書かれています。
おそらく、税理士事務所との顧問契約について、ここまで書籍に載せられる方はいらっしゃらないんじゃ
ないかというぐらい、顧問料の決め方について記載されていた点は驚きでしたね。
ちなみに、顧問料の決め方のポイントとして、
1.どこまで自社でやって、どこまで税理士事務所にやってもらうのか?
2.税理士事務所ができることとできないこと
3.税理士の探し方
4.どのようなケースでセカンドオピニオンは有効か?
といった点について述べられていますので、これから起業される方や、税理士事務所の
顧問契約をすでにしておられる方で、お支払しておられる金額に納得いかないという方は、
一読して頂く価値はあると思います。
最後にCHAPTER5ですが、ここでは決算処理で大切なポイントと、「なぜ、タイムリーな
データが必要なのか?」その理由について述べられています。
私自身がこの本を読んで、税理士事務所の役割がここ10年で大きく変わっているなと感じました。
私が前職の税理士事務所に就職した1999年当時は、会計ソフトも高価なものでしたし、
オンラインで顧問先とデータをつなげる状態にするだけでも、結構なコストでした。
また、伝票の手書き、領収書や請求書を綺麗に糊付けして製本といった点が主流でしたし、
税理士事務所としても記帳代行や税務顧問としてまだまだ通用する時代でした。
ところが、これらが今の時代では全く通用しなくなってきています。会計ソフトは廉価で
入手できますし、領収書などの必要データもスキャンして管理できるようになり、ますます
ペーパーレスやオンライン化が進んでいます。
そのような中で、中小企業側から税理士事務所を見る目が変わってきているのも事実です。
そして、この2社がどのような距離感で付き合えばいいかを考え、その付き合い方を選ぶ
時代になったといえるのではないでしょうか。
その点で、今回拝読させて頂いた「本当の会計の話」は、非常に有効な書籍ではないか
と感じました。
「本当の会計の話」