その節税が会社を殺す
2018-06-05 (火)
税理士の松波竜太さんの新刊「その節税が会社を殺す」を拝読させて頂きました。
松波さんの前著「借入は減らすな!」同様、エッジの効いたタイトルで、今回もなかなか興味深い内容でした。
本書は、タイトルにもあるように「間違った節税」がいかにして会社の資金繰りを悪化させてしまうか、その功罪について説明しておられます。
と同時に、納税を受け入れる価値観をどのように持つべきかについて、金融機関からの資金調達を引き合いに出して、合理的に納税の必要性を説いておられます。
税理士さんが「安易な節税」を否定するあたりが、とても説得力がありますね。
私の前著「社長のための黒字の教科書」でも触れましたが、法人税の支払いを抑えるために、いろんな節税策に奔走した結果、キャッシュフローが悪化した会社をたくさん見てきましたので、「納税を通じてキャッシュを増やす」という価値観を持って頂くには、もってこいの本だと思います。
また、皆さんが気になる「じゃあ、いくらぐらい納税したらいいの?」という答えは本書を読んで頂くと、より理解できると思います。
本書におけるキーワードを私なりに列挙してみました。
・会社経営は、キャッシュリッチであることが重要
・法人税アレルギーになっていないか
・無借金経営と実質無借金経営の違い
・銀行融資の受け方、銀行との付き合い方
・民間金融機関と政府系金融機関の使い分け
・どれぐらいの納税が適正ラインなのか
・黒字継続の必要性
・その経費は原価?販管費?営業外費用?特別損失?
・低金利での資金調達方法
・設備資金と運転資金の違い
・保証協会は使うべきか否か
・本来の節税とは?
いずれも気になる内容ですね。
と同時にそれぞれの解答がしっかり記述しておられますので、「中小企業が本来目指すべき財務体質の在り方」を確認し、かつ実践してみたい経営者や経営幹部、経理担当者にとっては、一読の価値ありです。
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楽天ブックス「その節税が会社を殺す」
プロフィール
財務マネジメント株式会社 代表
森岡寛
高知県高知市出身。実家が製麺卸売業を営んでいることから、幼少期より経営に関心を抱く。
近畿大学在学中は会計学研究会に所属し、管理会計の研究に従事。大学卒業後、大阪市内の大手会計事務所に勤務。入社3年目から経営幹部に抜擢され、以後2年半にわたり、部署売上目標を全て達成。実務面では、税務・経営・人事コンサルティングを担当する中で、中小企業の財務の重要性を実感して退社・起業。
起業後は中小企業に特化して、チャットとWEB会議で完結する財務改善コンサルティングを提供している。
著書に『マンガで入門!会社の数字が面白いほどわかる本』、『社長のための黒字の教科書』『マンガで入門!管理会計が面白いほどわかる本』(ダイヤモンド社)がある。
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マンガで入門!
管理会計が面白いほどわかる本
(ダイヤモンド社)
社長のための 黒字の教科書
小さな会社の財務改善70のテクニック
(ダイヤモンド社)
マンガで入門!
会社の数字が面白いほどわかる本
(ダイヤモンド社)
メディア掲載実績
ダイヤモンドオンライン
2016年11月8日~12月8日
「マンガでわかる!管理会計の基本」
- 第1回 なんで私が大阪のエリアマネジャーに!?
- 第2回 なんで私が大阪のエリアマネジャーに!?(2)
- 第3回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(1)
- 第4回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(2)
- 第5回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(3)
- 第6回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(4)
- 第7回 管理会計をどのように活用するかが、業績改善のカギ
- 第8回 売上、コスト、利益を「正しい数字」で把握できているか?
- 第9回 変動費は「率」で、固定費は「額」で管理すれば、業績の把握と管理が正確にできる
- 第10回 売上高の大きい商品や店舗、営業社員が、売れ筋商品や優良店舗、優績社員とはかぎらない
- https://diamond.jp/category/s-kanrikaikei
ダイヤモンドオンライン
2014年2月19日~28日
【社長のための黒字の教科書】
ダイヤモンドオンライン
2012年6月7日~6月21日
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